サムライ 2015 4 5
書名 日本刀の本 別冊宝島
出版社 宝島社
もう日本にはサムライはいなくなってしまった。
映画の中にだけサムライは存在する。
そう思っていたら、
今、本屋では、「日本刀」のブームです。
大型書店では、日本刀に関する本の特設コーナーまでありました。
コンビニ店では、雑誌コーナーに日本刀の本があったのです。
もう日本にはサムライはいなくなったかもしれませんが、
日本人の心の中には、サムライが存在しているのでしょう。
日本刀は、単なる武器ではなく、
今では、美術品として認知されています。
その完成度を見れば、芸術品の域に達しています。
このような日本刀を作るには、
高度な製鉄技術が必要だったはずであり、
さらに、鋼(はがね)の段階で、
炭素の量が多ければ硬く、
炭素の量が少なければ柔らかくなるので、
高度な工業製品を完成させるまでの「難所」が多数あったはずです。
このような技術が、数百年前の日本にあったのは、
一種の「驚き」と言えるでしょう。
現代において、日本が世界トップレベルの工業国になる理由が、
芸術品の域に達する日本刀を見れば、よくわかります。
要するに、日本は、数百年前から、
工業国に発展する「潜在的な能力」を持っていたのです。
決して、偶然に日本が工業国になったわけでもなく、
欧米の技術を真似したわけでもないのです。
日本は「潜在的な能力」を開花させたら工業国になったということでしょう。
日本刀を単なる武器で終わらせることなく、
さらに工業製品にするだけでは満足できず、
芸術品にまで昇華させてしまう。
「来國光」(Kunimitsu)
これが鎌倉時代に作られたとは、
つまり700年以上前に作られたとは、驚きです。
このようなものは、現代の技術でも、かなり難しいものがあります。
これは、工業製品の完成度と芸術性を同時に追求する必要があるからです。